目次        
No.1 自然にさらされて No.2 鎮守の杜 No.3 そよかぜ  
No.4 アロマテラピー No.5 文化財 No.6 色
 
             
 
  2006年6月19日

 庭の仕事をしていますと自然とのふれあいが多く常に五感を感じながらの生活をしています。樹木や草を見て触って香りを楽しみ時にどんな味なんだろうと口に入れる事もあります風に吹かれて木々の摩れる音や葉のぶつかりあう音鳥のさえずりなどさまざまなものを感じ取っています。

 先日群馬県の北部の六合村に行きました。山の険しい地域で鎌倉の谷戸とは大違いの景観です。小さな集落が点在し良い温泉も沢山あります。険しい山の中を歩くと石がゴロゴロして歩き難いところですが大自然がありそこにいますとその大自然から力が得られるような感じになります。太古の時代から人も動物も植物も生き物すべてが大自然から力(エネルギー)をもらって生きてきました。文明社会になって窮屈な都会で人は精神的にさまざまな困難や苦労を強いられ未来ある子供達までもが病んでるのが現実です。この村の一番奥に白根開善学校という中高一貫の学校があります。全国からさまざまな問題を抱えて病んでいる子供達が集まり学校生活を送っています。この学校では年に一度100キロを歩く「強歩」という行事を行っています。小学校や中学校で引きこもりで家から出られなかった子供達も元気に起伏の険しい山道を100キロを目指して一生懸命歩くんです。それは感動します!この学校の生徒達は自然の中で色々な物を見て感じていっぱい力をもらい元気になって卒業していきます。自然の持っている不思議な力を感じます。自然の大切さを都会でも味わえると良いですね・・。

 お庭にもちょっと自然を感じる物があるだけでも気が休まります。疲れて家に戻り椅子に座ってちょっと庭を眺めホッと出来る、そんなお庭を造りたいですね。五感を感じて生活する事が如何に大切か考えたいものですね・・・。

 
2006年7月10日

先日温泉観光地熱海にある伊豆山神社に行きました。最近の若いカップルに大変人気があるこの神社は源頼朝と北条政子の出会いの場所であり縁結びの神社として有名です。この伊豆山神社は歴史的にも非常に古く頼朝が平家に幽閉されるそれ以前からは全国各地に影響を与える要衝の地でもあり、伊豆山には一時3000人程の僧兵も常駐していた記録も残っているほどです。最近この山の沖合い200m、水深40mの海底で大規模な石垣や灯台跡が発見されています。文献にもなく海上交易を含め歴史を覆す大きな港だったのではと発見した研究家グループはこの神社で毎月研究会を行っています。

海を望む高台にあるこの神社に樹齢数百年のクスノキ、松、カヤなどの巨木が社殿を守るようにそびえ立ちその静かな境内では木々の香りや鳥の囀りもその古い歴史を感じさせます。きっと頼朝と政子も同じ物を感じていたのではと想像できます。海が一望でき静けさを感じるこの場所はまさに鎮守の杜と言うに値するほどです。これほどに歴史的価値のある神社が国指定の文化財にもなっていないのには驚きです。この鎮守の杜も気候や環境の変化で少しずつ傷んでいます。やがては巨木も枯れてしまうのではと懸念されます。町ぐるみで保存運動をしないとなかなかこれだけの規模のものは保存する事は出来ないでしょう。どこの自然も地域の支えなしにはどうすることも出来ません。歴史的価値のあるこの神社の境内をしっかり後世に伝え守って欲しいと願ってやみません。

 
2006年8月9日

微風という言葉を最近聞かなくなりました。夏本番となり暑い日々が続いています。近代化の進んだ都市部ではコンクリートの建物や一般住宅、道路はアスファルトで土が見えなくなるほど開発されてしまい反射熱でヒートアイランド現象をお越し実際の気温以上に地表の温度が上がってしまっています。おまけにクーラーや自動車の排ガスによって空気が温められ都会ではまるで温風にさらされているようです。これではやさしいそよ風を感じる事も出来ません。しかし郊外の自然の豊かなところではまだそよ風を感じる事が出来ます。しかしそよ風と感じる人がいるのかと言うとそれほどいるとは思えません、住宅も最近では窓が小さく間取りも小さい為に風の通りにくい構造の家が多くクーラー等で安定した温度を好んでしまう方が殆どで外に出て自然の風を感じる機会が少なくなっているのが現実です。ある住宅メーカーでは微気候と称して涼しげな風を呼込めるような住宅環境を提唱したりしていますが狭い敷地や建物の込み合った場所ではなかなか環境を整える事は難しいようです。暑い夏は出来るだけ都会を離れ自然を味わう事をお勧めしたいと思います。私の住んでいる鎌倉では海岸にいますと時折海に冷やされた涼しげなやさしいそよ風が肌を撫でて心地良く感じる事が出来ます。最近ではハワイやバリと言ったところに出かける人も多くなりましたが、身近なところで生活の中でやさしいそよ風を感じたいものです。我々は外で仕事をしていますから木陰で休息をとり緑の香りを感じるそよ風に触れる機会も多くあります。首都圏のオフィスで働く多くの人は朝早くから夜遅くまで働き自然に向き合える時間が少ないと思いますが時には自然に向き合い心地よいそよ風を味わって見てはいかがでしょうか。

 
2006年8月19日

芳香剤やマッサージやエステのお店で使われていますアロマオイルとは植物から抽出されるオイルです。抽出時に同時に出る水分をアロマウオーターと言います。この抽出方法にも色々あると聞きますがこれらの用途は様々で薬用から食用にいたるまで使われ方も多いようです。時には食べ物に使ったり・肌につけたり・香りを味わったり等身近なところで使われていて今後更に注目されることと思います。普段何気なく見過ごしている身近な植物には意外な用途や効用があるようです。我々の祖先の時代から体調が悪かったり怪我をしたりしますと薬草が使われてきました。また動物も体調を整えるために草木の葉や皮、根を食べたりします。人間も同じように工夫して生活に取り入れ活かしてきました。漢方療法もその中から生まれ現在に至っているわけです。このアロマオイルとアロマウオーターを使ったアロマセラピー(芳香療法)はヨーロッパで生まれその歴史を刻んでいますがアジアの国々でも昔から様々な生活に使われています。アジアでは新婚さんの部屋には興奮作用のある香りが使れたり、痛みを和らげる香り、気分をリラックスさせる香りとその用途は様々で数百種類の香りがあります。日本にも香を炊いて楽しむ会がありますがそれはセラピーと言うよりセレモニーですが。昔からの日本の漢方療法は肌に付けたり煎じて飲むと言う物ですが、芳香療法は西洋の漢方と考えますがフランスでは医学としてお医者さんが処方するようです、つまり治療に使われているんです。植物が人を癒す効果は皆さんの知るところですが、その香りにも色々な効果があるのは不思議に感じます。身近な植物にこんな効果があるなんて知ると楽しいでね。自然の恵みって素晴らしいです。

 
2006年9月8日

私の住んでいる鎌倉は幕府が町を築いてから800年余りの歴史を持ち多く寺社、仏像などの多くの文化財は市民にとっての誇りになっています。鎌倉は都心に近い事もあって観光で訪れる方も多く観光地としても賑わいも見せていますが、地方では新たな文化財を指定し観光資源として見直す動きが出てきております。地方では高齢化・過疎化が進み雇用の創出も難しく財源も少ない町を活性化させる目的で文化財開発が見直され人口数千人の町でも数億円を投資して観光資源開発を進めている自治体があちこちあります。このような自治体の中には文化財の修復工事に直接携わる職人さんを地元の人間に限定するところもあります。そのような自治体は職人さんの技術も町の財産と考え町の修復工事で覚えた技術を多方面で活かし町に還元してくれると考えるからです。このような自治体の市町村長は人望も厚くなかなか職を離れさせてもらえないほどです。行政の考え方で町並みも大きく変わってしまいますが、わが町鎌倉市は行政に力がなく地元の文化財事業に地元の技術者や地域の人々の参加を求めず他県から有資格者を呼んで委員会を設置したりしています。このように地域主導で行えない現状ではうまく住民に納得してもらう事は難しいでしょう。基本的には市民が市民のために取り組むように方向付けするのが行政の役目と考えます。技術面のアドバイザーは必要となりますが基本は市民の手ですべて行う姿勢が大切なのではと感じます。鎌倉の寺社仏閣が京都や他市・他県の造園屋さんに庭を依頼したりしています。建築関連も同じようですが、これで出来上がった庭は本当に鎌倉の庭でしょうか?茶道の心得を知らずして茶庭を作るに等しい事と同じです。建都以来地元と密接な関係を保って来た寺社仏閣が地元を軽んじるとは情けなく思います。鎌倉市は現在世界遺産登録に向け動いています。地域の心と心の繋がりは地域に融和をもたらし繁栄の基礎となる事と思っていますが文化財の事業を通じて地域がもっと発展することを願っています。

 
2006年9月25日

昔から様々な色が生活の中で使われてきました。絵の具はもちろんのこと、建材や衣類などの様々なものに工夫をこらした色が現在でも使われています。その中でも植物を原料とする色は多く特に衣類等には多く用いられ草や木から驚くような綺麗な色が染め上がっています。サクラやマキやウグイスカズラ等からはピンク色・キハダやエンジュやクチナシ等からは黄色・クサギやアイ等は青色等ですがまだまだ緑系の色・茶系の色・紫色・灰色と様々な色に染められるんです。またこの植物からこんな色がって思うほどに創造とはまったく違う色に染め上がります。同じ植物からでも媒染によって抽出できる色も違いアルミや鉄・錫・銅と鉱物のほかに草木の灰など使う媒染によってはまったく違う色にもなります。先日染織作家さんの家に伺い絹糸を草木で染め織り上がった反物(製品)を拝見し伝統の染織りの美しさに驚きました。他にも建物の壁には白壁や黄色壁と地域の独特の色を使いまた格子など弁柄(べんがら)を使い赤く塗り地域や町並みを統一して来ました。しかし最近の町並みは個性のみを重視する建築家や開発業者によってズタズタにされ、悲しいことに看板や建物の色も調和を失っています。昔から先人達は自然の恵みをうまく利用しながら生活を楽しみ豊かなものにしていたはずです。自然を恵みを大切にする心が失われないようにしたいですね。

 
       
 
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